コートハウス

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  都市住宅の理想型、コートハウス

 もともと日本の家には、内と外が明確な境界線で隔てられてるものでは

ありませんでした。軒下、縁側、まだ路地に縁台を出したり、鉢植えを並べたり

というように外でも内でもない中間領域グレーゾーンを設け、それを上手に利用

して来ました。郊外の住宅ならグレーゾーンを充分に取ることができますが、

それをそのまま都市型の住宅に持って来ることはできません。都市には都市の

住み方があるはずす。

 例えば、都市の住宅では周囲からプライバシーを守らなくてはいけませんし、

風や光を有効に得られる周辺環境でもない、という特徴があります。

 私たちは、その解答のひとつの形が「コートハウス」ではないかと考えて

います。
  コートハウス6つのタイプ
A型:住居が2棟に分かれ、その間にコートを挟む形

コートを介して、両方の住空間を移動する。

また、コートが人の集まる、オープンエア・リビング

としても機能する。
風車の家

B型:L字型建物の欠けた部分にコートを配した形

それぞれの棟からコート越しに自分の家を眺めることが

できる。2世帯住宅などでコートを共有してもよい。
柿の木坂の家

C型:建物の側面にコートを設ける形

コートの上は吹き抜け状になるため1階はもちろん

2階の採光性、通気性も増す。ウナギの寝床のような

建物の場合に適していて、京都の町屋によく見られる
鎌倉の家

D型:コートを囲むように住居が建てられている形

どの部屋からもコートが目に入る。部屋の一部のように

コートを使うこともできる。南面に取るので陽当たりも

抜群によくなる。
舞踏家の家

E型:建物のあちこちに坪庭的にコートを取り入れた形

これまでは敷地の広い家でしか実現していないが、コートの面積を小さく

すれば、都市型の住宅でも可能性はある。

F型:
  地面ではなく建物の2階や3階にコートを作る形

空中庭園のよう。個人の住宅でも可能だが、集合住宅で1フロアーをコート

として利用し、そこで住人たちのコミュニケーションが生まれる、という

ことも考えられる。

自由なスタイルを楽しむ家
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