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  犬と暮らす
 犬と暮らす理想の住宅とは一体どんな家?
仮想プランをもとに考えてみましょう。
● 犬の領域
  
 ここでは、玄関から中庭に面したダイニング、キッチン、ユーティリティ−

までを全部土間にして、犬はこの土間の部分でのみ人間と生活をともにする

というプランを提案しました。欧米風に土間で靴のまま食事をするということ

です。

 さらに中庭をオープンエア・リビングと考えて、窓をすべて開ければ、ダイ

ニングとリビングをつなぐ大空間が生まれるように計画しました。このひとつの

つながりの空間すべてが、犬が自由行き来できる領域というわけです。

そのかわり家の中においては。土間から先が一段高くしてあり、犬は入れない

領域です。大型犬を飼われるご家族向きかもしれません。もちろんここから先に

あげるときは、足を拭くという決まりを作って犬に解放することもできます。

 私たち建築家が提案できるのは,犬が家族と一緒にいて落ち着ける場所を確保

してあげることと、同時に人間のプライバシーをきちんと確保するということ

で、建て主さんが住んでから犬の領域を広げたり,アレンジして行くことは

あっていいと思います。




土間から床を一段上げた生活ゾーンへの境界。ここから犬を入れるかどうかは住み手の判断。足をよく拭いて上げるというのも手だ
玄関〜
土間
ひと
続き
犬専用
アプローチ
オープン
エア・
リビングにそのまま出られる
ドックプール
汚れた足はここで洗う
大きな木のあるオープンエア・リビング
ダイニングからもリビングからもここに出られる。
窓を開け放てば大きなパーティースペースになる。
春から秋は犬はここで過ごす。
ブルー部分のスペースは玄関からダイニング、キッチン、ユーティリティー、
物置きまでがひと続きになった土間。犬も人もここでは“土足”
 ● 2つの玄関
  
  計画では、玄関とは別にリビング犬用のアプローチを作りました。

 そこは、直接、中庭のオープンエア・リビングに行くことができます。庭を横切

 る長い直線は、ドッグランと考えることもできますね。

  中庭から2階へと続く階段の下には、ドックプールがあり、汚れた足を洗う

 ことができます。本格的に全身を洗うときには、土間を通ってそのまま浴室に

 行くことになります。


 ●耐久性
 
  壁を珪藻土などの天然素材にすると、犬が体をこすりつけたりしてどうして

 も汚れますよね。

 そういうときは高さ45センチぐらいまで「腰壁」を立ち上げてやって、

 その部分だけ木とか石のタイルとかにすることを提案します。日本の腰紙とか

 西洋の腰壁様式の応用ですね。


 ● 素材へのこだわり
 
  私は杉並区の環境審議会のメンバーなのですが、シックハウス症候群の犬が

 かなり増えているという話を聞きます。これに対しては、床に合板ではなく

 無垢の木を、壁には珪藻土などの天然素材を使うなど使用素材に配慮したり、

 カビや湿気対策の換気法を工夫するなどして、室内環境をよくしていくことが

 必要ですね。これは犬だけの問題ではありません。犬によければお年寄りや

 赤ちゃんにだっていいはずですから。

 よくフローリングは滑ると心配されますが,それは材木の上にウレタンの塗装

 などをするからで、たとえば赤松の板でも無垢なら全然滑らないですし、

 年ごとに風合いが増して美しくなります。


 ●ユニバーサルデザイン

  年代や性別、身体の障害の有無にかかわらず、誰にもやさしいデザイン

 というのがユニバーサルデザインです。いまは人と犬とのパートナーシップが

 強く意識される時代ですから、同じ意味で犬たちともユニバーサルでなければ

 本当のよい関係は築けませんよね。それは結果としてすべての人にとっても

 動物にとっても、快適な環境というのをどう作っていくかは、これからの全て

 の人々が考えるべき重要なテーマだと思います。


  実例集:「東長崎の家」


 
●ワークッショップ
 
  SEAarchでは、建て主さんに家づくりに参加してもらうワークッショップ

 という方法を取っています。

  簡単にいえば、建築家である私が司会者になり、家の形や間取りについて

 デザインゲーム的方法で意見を出しあい、優先順位を決めながら一歩ずつ完成

 形に近づけていくというもので、家族全員に参加してもらいます。必要である

 かどうかの取捨選択をするために、家族の要素を書いたカードを使ったり、

 仮に作った大きな段ボールの家の模型に優先度を示す旗を立てていったりする

 ことで、目に見える形でプランを具体化していきます。家族全員が納得する

 家づくりには、いまのところこのやり方が理想に近いのかなと思います。

  だけどこのとき誰がワンちゃんの気持ちを代弁するのか?それは誰かひとり

 ではなく、みんなで 犬の立場になって考えてみるのがいいか?そんな話し合い

 をするうちに、意外な気づきがある。私たちはこんな飼い方をしていていい

 のだろうかという疑問が出てくる。お父さんは犬を部屋の中までは上げたく

 ない、お母さんと子どもたちは部屋に入れて飼いたい・・・

 その問題は私たち建築家が提案するんじゃなくて家族が話し合って決めるべき

 なんです。

  ワークッショップでは家族が犬とどう関わり,どう接していくべきかを真剣

 に考え直すことになるでしょう。その意味でも「犬と住む家」をテーマに、

 ぜひ一度ワークッショップをやってみたいですね。

 ○ 駒沢公園で「犬と住む家」に関するアンケートを実施
   詳細はこちらへ
 
 ○ 実例集:「与野の家」


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